田舎の貧乏な家庭で生まれたわたしが、お菓子作りに初めて出会ったのは、小学校一年の時でした。
いつもよく遊ぶ友達の家に、クッキーを作るからおいでと誘われて行き、友達のお母さんに教わりながら生地を練り、型抜きをさせてもらいました。
その友達の家には大きなガスオーブンがあり、型抜きして天板に並んだクッキーが10分もすると香ばしい香りと一緒に焼きあがることが子供心にとても感動しました。
それから家に帰り、台所から小麦粉を出し砂糖を出し、覚えている限りの材料をボウルに、分量なんて覚えてなくて、めちゃめちゃで入れて混ぜてまな板の上で延ばし、抜き型なんてなかったからコップの口で抜いて、もちろんオーブンもないのでトースターで焼き、見事に焦がしたというとても苦い思い出です。
それから数十年、紆余曲折を経て今またお菓子を焼いている不思議です。
人生にはまさかがたくさんです。